歩行(ウォーキング)と健康

 

健康の為に最も多くの方が取り組む運動がウォーキングです。

では1日何歩歩くのが健康に良いのでしょうか?多ければ多いほど良い?そんな疑問にお答えします。

 

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 ウォーキングが健康増進に効果的なのは間違いありません。しかし、「今日は歩いた」「歩いていない」を自己評価に任せていると体力や、運動の好き嫌いという性格によって運動量(歩行数)にばらつきが出てしまします。ウォーキングは日本のみならず世界で最も取り組まれている健康法です。研究や調査が進み、健康の為の理想的な歩行数に関してもわかってきました。

 

良く歩く人は、歩かない人に比べて死亡リスクが「半減する⁉」

  • 40歳以上(平均年齢56.8歳)
  • 4840人の男女
  • 平均10.1年追跡調査
  • 「8,000歩/日」対「4,000歩/日」の人を比較

8,000歩/日の人の死亡率は、約5割少なかった。

 

※4840人の参加者を対象としたこの観察研究では、1日あたりの歩数の増加は、すべての原因による死亡率の低下と有意に関連していました(8000歩/日対4000歩/日で調整されたハザード比、0.49)-米国調査

歩数/日と死亡率の相関関係
【1日の平均歩数と死亡率の変化】

◎1日の平均歩数が少ない程死亡率は上昇傾向にある

◎1万歩以降は死亡率に有意差は確認できない



平均/日 歩行数と男女別死亡率

 歩行数と男女別死亡率
【歩行数と男女別死亡率】

平均/日 歩行数と世代別死亡率

歩行数と世代別死亡率
【歩行数と世代別死亡率】40~49歳|50~64歳|65歳以上

◎男性は女性に比べて死亡率が高い傾向にある

◎「50代以降」「65歳以降」は死亡率が大きく上昇傾向にある


平均/日 歩行数と心血管疾患死亡率

歩行数と心血管疾患死亡率
【歩行数と心血管疾患死亡率】

平均/日 歩行数とガン死亡率

歩行数とガン死亡率
【歩行数とガン死亡率】

◎「4,000歩」対「8,000歩」では心血管疾患死亡率が約5割の差がある

◎「4,000歩」対「8,000歩」ではガン死亡率で約3割の差がある

 

歩かな過ぎは良くないが「歩き過ぎはどうか?」

 

 ここまでで、歩行数の減少(2000~4000歩)は、8,000歩/1日と比較すると健康リスクを高める事がわかりました。また、健康効果(主に内科的疾患・生活習慣病に対して)は8,000歩以降はプラトー(平坦)になる事もご理解頂けたと思います。

 

 では、「歩きすぎ」。例えば20,000歩/1日やさらにそれ以上のウォーキングは健康に寄与しないのか?という疑問も浮かんできます。ここからは著者(運動指導士)の経験も含めた見解となります。

 

歩き過ぎは整形外科的疾患リスクを高める

 

 確かに、歩行数は増えれば増える程、「消費エネルギー量」は増加するので減量などの効果は上昇する可能性はあります。

しかし、その代わり運動量の増加は、関節や腱・筋肉への負担と消耗を進行させ「関節炎」「筋・腱炎」などケガや障害リスクは高まります。運動のし過ぎによる体力の消耗は、体の修復・回復機能も低下させ、必要なホルモン分泌量の減少や免疫力の低下という形で現れます。

 

 肥満だから、消費エネルギーを稼ぐためにたくさん歩こう!というのも論理的な考えではありますが、肥満で運動不足の人ほど関節や筋・腱にかかる負担は大きいのでその分ケガのリスクも高まります。

 

 ケガをしてしまえば、折角の運動習慣も中断しなければならなくなりますし、運動再開後の再発リスクもありますので、総合的に見ても、8,000歩/1日を目標に設定し、その他にも運動をしたい場合はストレッチや筋トレなど、別の運動に変更する事で、同じ個所にストレスをかけ続けることなく、上手に分散させると良いでしょう。

 


執筆者

ウェルネスドア合同会社 代表:狩野 学

 

※https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2763292 jAMA. 2020;323(12):1151-1160.

※本ページは【国立健康・栄養研究所】「リンクDEダイエット(http://www.nutritio.net/linkdediet/)」掲載情報を引用・参考に製作しております。

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