この記事では、40代・50代という健康の分岐点を迎える方々に向けて、健康診断の結果に潜む男女別の重要サインと、今すぐ始められる具体的な生活習慣の改善策を専門家が解説します。
年に一度届く健康診断の結果。「C判定(要経過観察)」や「D判定(要精密検査)」の文字を見ても、「自覚症状がないから大丈夫」「忙しくて再検査に行く時間がない」と、つい後回しにしていないでしょうか。
その行動は、10年後の健康を大きく左右するかもしれません。健康診断は、未来の身体から送られてきた「警告」であり、最高の「アドバイス」です。特に男女で身体の変化が大きくなるこの年代では、結果の数値を正しく理解し、対策を講じることが何よりも重要になります。
統計的に、日本の50代男性の約7割が健康診断で「有所見者」、つまり何らかの異常が見つかるとされています。これは、日々の飲酒や食生活の影響がダイレクトに数値として現れやすい男性特有の傾向です。特に以下の3つのサインには警戒が必要です。
40代・50代の女性は、更年期を迎え、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく減少します。エストロゲンには血管や骨を保護する重要な働きがあり、この「守り」が失われることで、これまでとは異なる健康リスクに直面するのです。
リスクは男女で異なりますが、生活習慣の改善が重要である点は共通しています。ご自身の健診結果と照らし合わせ、できることから始めてみましょう。
▶ 飲み会での賢い選択:最初のビール一杯の後は、糖質の少ないハイボールや焼酎へ。締めのラーメンは我慢し、おつまみは揚げ物より枝豆や冷奴、焼き鳥(塩)を選ぶ意識が大切です。
▶ 「ちょい足し」で食事改善:丼ものや麺類で済ませがちなランチには、カット野菜やゆで卵、もずく酢などをプラスしましょう。手軽に栄養バランスが向上します。
▶ 大豆製品を味方につける:納豆、豆腐、豆乳などに含まれる大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た働きをします。1日1品、積極的に食卓に取り入れることをお勧めします。
▶ 「骨活」を意識した運動:骨は刺激を与えることで丈夫になります。ウォーキングや階段の上り下りのほか、自宅でできる「かかと落とし」など、骨に負荷をかける運動が効果的です。
「自分の健診結果のどこを、どう見れば良いか分からない」
「従業員の健康リテラシーを高める機会を作りたい」
そんなお悩みはありませんか?ウェルネスドアでは、健康診断の読み方セミナーなどの開催も可能です。専門家が一人ひとりの結果に合わせた改善プランをご提案します。
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の効果を保証するものではありません。個人の健康状態や病状に応じた食事や生活習慣については、必ずかかりつけの医師や管理栄養士にご相談ください。
【主な情報源】
・厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドローム」「女性の健康」
・厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査報告」
・日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」