「健康経営の重要性は理解しているが、その投資対効果(ROI)が見えづらい…」
「従業員の健康診断の結果は年々悪化しているが、具体的な対策の必要性をどう伝えれば良いか分からない…」
企業の経営者や人事・総務担当者の皆様の中には、こうした悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。実は、従業員一人ひとりの何気ない生活習慣は、個人の将来の医療費だけでなく、会社と従業員が負担する健康保険料の増大という形で、経営に直接的な影響を与えます。本記事では、その”見えないコスト”を誰でも簡単に1分でシミュレーションできるツールをご紹介します。個人の健康が会社の財政に与えるインパクトを具体的な金額で把握し、データに基づいた健康経営の第一歩を踏み出しましょう。
「個人の健康は自己責任」と考えてしまいがちですが、日本の医療保険制度上、その影響は組織全体に及びます。
まず、基本的な仕組みとして、私たちが病気やケガで病院にかかった際、窓口で支払う医療費は原則として総額の3割です。では、残りの7割はどこから支払われているのでしょうか。それは、会社と従業員が毎月の給与から納める保険料によって運営されている「健康保険組合(健保組合)」です。
つまり、従業員の誰かが不健康になり医療機関を受診するほど、健保組合の支出は増えていきます。この状態が組織全体で慢性化すると、以下のような”負のスパイラル”に陥るリスクが高まります。
このように、従業員の健康問題は、最終的に企業経営を圧迫するコスト増や、従業員のエンゲージメント低下に繋がる可能性があるのです。だからこそ、従業員の健康維持は、単なる福利厚生ではなく、将来の不要なコストを抑制するための「戦略的投資」と言えるのです。
それでは、あなたの現在の生活習慣が、将来の医療費や会社の財政にどれだけの影響を与える可能性があるのか、実際にシミュレーションしてみましょう。ご自身の状況を正直に入力いただくことで、より実態に近い結果が得られます。結果が他者に共有されることはありませんので、ご安心ください。
あなたの生活習慣が、将来の医療費や所属する組織の財政に与える影響をシミュレーションします。
シミュレーション、お疲れ様でした。表示された結果が何を意味しているのか、ポイントを解説します。
ここに表示されている「同世代の平均」「現在のあなたの未来」「理想的なあなたの未来」という3つの年間医療費のうち、注目すべきは「現在のあなたの未来」と「理想的なあなたの未来」の差額です。これは、今の生活習慣を改善することで、将来的に削減できる可能性のあるコスト、いわば“改善の伸びしろ”を示しています。「20年間で〇〇円」という数字は、長期的に見ると生活習慣がいかに大きな経済的影響を持つかを物語っています。
もし任意項目で会社情報を入力した場合、こちらの結果も表示されます。この金額は、「もし社内にあなたと似た生活習慣の従業員が〇%いた場合、健保組合の負担が理想的なケースに比べて年間でどれだけ増加するか」という推定値です。この数字は、個人の健康課題が、組織全体の経営課題に直結していることを示す強力なデータとなります。経営層や従業員全体へ健康経営の重要性を説明する際の、客観的な根拠として活用できるでしょう。
シミュレーションで未来を可視化することは、現状を認識するための重要な第一歩です。しかし、最も大切なのは、その結果を受けて「次の一歩」をどう踏み出すかです。
「健康のためには、運動や食生活の改善が必要だ」と頭では分かっていても、日々の業務に追われる中で個人が意志の力だけで習慣を変えるのは困難な道のりです。だからこそ、個人の努力だけに頼るのではなく、組織として従業員の健康リテラシー向上や行動変容をサポートする仕組みづくりが不可欠になります。
「シミュレーション結果を元に、自社に最適な健康経営プランを専門家と一緒に考えてみたい」
「従業員の意識を変えるきっかけとして、生活習慣改善に関するセミナーを開催したい」
もしこのようにお考えでしたら、ぜひ一度、私たちウェルネスドアの専門家にご相談ください。貴社の課題に合わせた最適なプランをご提案します。
このシミュレーションをきっかけに、従業員と会社が一体となって、より健康的で生産性の高い職場環境を築いていきましょう。
※本シミュレーターは、厚生労働省が公表する「国民医療費の概況」の統計データや、日本人を対象とした大規模研究(JPHC Study等)の成果を参考に開発されたものであり、将来の医療費を保証するものではありません。あくまで現状のリスクを把握するための一助としてご活用ください。
【監修】
ウェルネスドア合同会社 代表 狩野 学(かりの まなぶ)
エキスパートインサイト 専門家チーム