質問 1 / 8
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多くの企業が従業員の健康増進のために健康セミナーを実施していますが、その多くが「参加者の満足度アンケート」だけで終わってしまっているのが実情です。
しかし、**健康経営銘柄**や**ホワイト500**の認定、そして**人的資本経営**への注目が高まる今、企業には「健康施策が従業員の行動や組織の生産性にどう貢献したか」を客観的なデータで示すことが求められています。
この記事では、セミナーを「やりっぱなしのイベント」で終わらせず、「企業の資産」に変えるための、データに基づいた効果測定の具体的な方法と、その重要性について専門家の視点から解説します。
従業員の睡眠不足は、生産性低下(プレゼンティーズム)に直結する重要な経営課題です。ここでは、世界的に利用される「アテネ不眠尺度」を基にしたセルフチェックツールを使い、セミナーの効果測定をシミュレーションしてみましょう。
実際のセミナーでは、まず**【ステップ1:セミナー前に現状を把握】**し、知識提供を経て、**【ステップ2:数ヶ月後に再度調査】**することで、具体的な変化を数値で捉えます。
この1ヶ月間を振り返り、以下のことがどのくらいの頻度であったか、最も近いものを選んでください。
質問 1 / 8
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あなたの不眠尺度スコアは...
現在のあなたの睡眠状態は良好で、特に大きな問題は見られないようです。
いくつかの項目で、睡眠に関する問題を少し感じているようです。本格的な不眠になる前の「黄色信号」かもしれません。
このスコアは、治療が推奨されるレベルの「不眠症」である可能性を示唆しています。自己判断せず、まずは専門の医療機関を受診してください。
この事前事後調査から得られるデータは、健康投資のROI(投資対効果)を示す強力なエビデンスとなります。
【分析レポートの例】
「参加者全体の平均スコアが、セミナー前の7.2点から、セミナー後は4.5点に改善した」
「『不眠症の疑い』に該当する従業員の割合が、40%から15%に減少し、医療費抑制や生産性向上への貢献が期待される」
このような具体的な数値は、経営層への説得力ある報告となり、次年度の予算確保や施策の継続・拡大へと繋がります。この手法は、睡眠以外のテーマでも同様に活用できます。
意気込んで効果測定を始めても、陥りがちな失敗があります。専門家の視点から、3つのポイントと対策を解説します。
「何のために測るのか」が不明確だと、結局「満足・不満足」という漠然とした感想しか集まりません。
【対策】セミナー企画段階で「従業員のどんな行動を、どう変えたいか」というゴール(KPI)を明確に設定しましょう。
セミナー直後はモチベーションが高く、良い結果が出がちです。しかし、重要なのは行動変容が「継続」しているかです。
【対策】セミナーの1〜3ヶ月後に追跡調査を行い、行動の定着度を測りましょう。
全体の平均値を見るだけでは、本当にアプローチすべき課題は見えてきません。
【対策】部署別・年代別などのクロス集計を行い、「どの層に、どんな課題があるのか」を深掘りし、次の施策に繋げることが重要です。
「自社の健康課題に合わせた効果測定を設計したい」
「データ分析から次のアクションプランまで、専門家のサポートが欲しい」
ウェルネスドアでは、産業保健師、管理栄養士、健康運動指導士などの専門職チームが、貴社の課題に合わせて測定指標の設計からレポート作成、改善策の実行まで一貫して伴走します。
【免責事項】
本記事およびセルフチェックツールは、一般的な情報提供や健康意識向上のためのものであり、医学的な診断・治療に代わるものではありません。個別の健康問題については、必ず専門の医療機関にご相談ください。
【主な情報源】
・経済産業省「健康経営ガイドブック」「健康経営銘柄」
・世界精神医学会 "ATHENS INSOMNIA SCALE (AIS)"