【超入門】健康診断の結果、A,B,C判定しか見てない?専門家が教える「5つの重要サイン」の読み方とチェック術

年に一度の健康診断。結果票を受け取ったはいいものの、専門用語と数字の羅列に「よくわからない…」と感じ、A,B,Cの総合判定だけを見て、引き出しの奥にしまい込んでいませんか?

「忙しくてじっくり見る時間がない」「悪い結果だったら怖いから見たくない」…。そう思う気持ちもよく分かります。しかし、その結果票は、今のあなたの体が送ってくれた「未来の健康を守るための大切な手紙」です。特に「C判定(要経過観察)」は、生活習慣を見直すことで、将来の大きな病気を防げる最後のチャンスかもしれません。

この記事では、「何から見ればいいかわからない」という方のために、健康診断のプロが「最低限これだけはチェックすべき5つの重要サイン」を、誰にでもわかる簡単な言葉で徹底解説します。さらに、ご自身の数値を入力するだけで、**あなた専用の詳しいフィードバックと具体的な改善策がわかる無料ツール**もご用意しました。この1記事を読めば、健康診断の結果が「自分ごと」に変わります。

この記事のポイント

  • 健康診断のA, B, C, D判定が持つ本当の意味と、企業としての見方がわかります。
  • 初心者でも大丈夫!注目すべき「5つの最重要項目」とその見方を深く理解できます。
  • あなた自身の数値を入力して、個人別の詳しい解説と対策がわかる無料ツールを試せます。

「A,B,C,D判定」を正しく理解し、次の一歩へ

まずは、このアルファベットが示す意味を正しく理解しましょう。これは単なる成績ではなく、あなたの体からのメッセージの「重要度」を示しています。

  • A判定(異常なし):素晴らしいです!今の生活を続け、この健康を維持しましょう。
  • B判定(軽度異常):今は問題ありませんが、将来のリスクの芽が出始めています。油断せず、生活習慣を見直すきっかけに。
  • C判定(要経過観察):生活習慣の改善が必要な「イエローカード」状態。この段階での行動が、数年後の健康を大きく左右します。
  • D判定(要再検査/精密検査):体に何らかの異常が起きている可能性が高い「レッドカード」状態。必ず医師の診察を受けてください。

【健康経営担当者様へ】
従業員のC判定・D判定の割合は、組織全体の健康課題を示す重要なデータです。例えば「肝機能でC判定の従業員が多い」場合、飲酒や食生活に関するセミナーを企画するなど、戦略的な健康施策の立案に繋がります。

【初心者向け】まず見るべき「5つの重要サイン」徹底解説

数ある項目の中から、特に生活習慣病と密接に関わる5つのサインをピックアップ。その意味と、よくある誤解を解説します。

1. 血圧:「体の水道管にかかる圧力」

血圧が高い状態が続くと、血管(水道管)は常に張り詰め、次第に傷んで硬くなる「動脈硬化」が進行します。自覚症状がないため「サイレントキラー」とも呼ばれ、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす原因となります。

チェックポイント:最高血圧が130以上、または最低血圧が85以上は「要注意」です。

【よくある誤解】「病院で測るといつも高いだけ」。それは「白衣高血圧」かもしれませんが、逆に家庭では高い「仮面高血圧」も存在します。家庭での血圧測定を習慣にすることが大切です。

2. LDLコレステロール:「血管の“悪玉”ヘドロ」

LDLコレステロールは「悪玉」と呼ばれ、増えすぎると血管の壁にヘドロのようにこびりつき、動脈硬化を進めます。自覚症状がないまま静かに進行し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。

チェックポイント:140以上で「高値」とされ、注意が必要です。

【よくある誤解】「脂っこいものは食べないから大丈夫」。実は、コレステロール値は食事だけでなく、遺伝や運動不足、さらには糖質の摂りすぎも影響します。

3. HbA1c(ヘモグロビンA1c):「血糖値の“過去2ヶ月の平均点”」

空腹時血糖が「その日のテスト」なら、HbA1cは「過去1〜2ヶ月間の平均点」。この数値が高いと、慢性的に高血糖状態が続き、血管がじわじわと傷つけられている証拠。糖尿病の重要な指標です。

チェックポイント:5.6%を超えると、糖尿病予備群の可能性が出てきます。

【よくある誤解】「健診前日だけ食事を抜けば大丈夫」。HbA1cは過去の平均値なので、一夜漬けの対策は通用しません。日々の食生活がそのまま反映されます。

4. ALT(GPT):「“沈黙の臓器”肝臓からのSOS」

ALTは、肝臓の細胞が壊れると血液中に漏れ出す酵素です。肝臓は異常があっても症状が出にくいため「沈黙の臓器」と呼ばれます。ALTの上昇は、肝臓からの数少ない貴重なSOSサインです。

チェックポイント:31以上は「要注意」のサインです。

【よくある誤解】「お酒を飲まないから肝臓は大丈夫」。近年、飲酒習慣がなくても糖質や脂質の摂りすぎで肝臓に脂肪が溜まる「非アルコール性脂肪肝(NAFLD)」が急増しています。

5. BMIと腹囲:「メタボリックシンドロームの“危険度メーター”」

BMIは肥満度の指標、腹囲は内臓脂肪の蓄積具合を示します。特に内臓脂肪は生活習慣病の元凶。これらが基準値を超え、血圧・血糖・脂質の異常が重なると、心筋梗塞などのリスクが飛躍的に高まります。

チェックポイント:BMIが25以上、腹囲が男性85cm・女性90cm以上は、生活習慣病の入り口です。

【よくある誤解】「体重は少しオーバーしてるだけ」。体重が同じでも、筋肉質なのか脂肪が多いのかで意味は全く違います。腹囲と合わせてチェックすることが重要です。

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本ツールの判定ロジックやフィードバックは、厚生労働省「e-ヘルスネット」日本人間ドック学会、および各専門領域の診療ガイドラインなど、信頼性の高い情報源を基に作成されています。


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表示される内容は、あくまで一般的な情報提供であり、医学的な診断や治療に代わるものではありません。健康に関する最終的な判断は、必ず医師や専門家にご相談ください。


ℹ️ご利用方法

すべての項目を入力する必要はありません。気になる項目(例:血圧のみ、肝機能のみなど)を一つだけ入力して、フィードバックを確認することも可能です。

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【主な情報源・出典】
・厚生労働省 e-ヘルスネット
・日本人間ドック学会「判定区分」
・日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」