その不調、寝不足が原因かも?
パフォーマンスを最大化する「攻めの睡眠戦略」

良い仕事は、良い睡眠から。

見過ごされていませんか?睡眠不足がもたらす経営リスク

📉

生産性の低下

集中力・判断力が鈍り
ヒューマンエラーが増加

😥

メンタル不調

不安やイライラが増大
職場の雰囲気悪化

⚠️

安全リスク

居眠り運転や作業事故
労災リスクが増大

日本の睡眠不足による経済損失は年間15兆円にものぼるとの試算も。

今夜からできる!睡眠の質を高める行動習慣

☀️

【朝】朝日を15分浴びる

体内時計がリセットされ、夜の自然な眠気につながります。

🛁

【夜】寝る90分前に入浴

深部体温が下がるタイミングで、自然で深い眠りに入れます。

🌙

【寝る前】スマホを寝室に持ち込まない

ブルーライトは脳を覚醒させ、睡眠ホルモンの分泌を妨げます。

なぜ眠れない?どう眠る?
この後のコラムで専門家が科学的根拠を交えて徹底解説します。

【専門家が徹底解説】睡眠が“心”を修復するメカニズム。
うつ・不安のリスクを減らす科学的睡眠術

はじめにご覧いただいたインフォグラフィックの通り、睡眠は日中のパフォーマンスを左右する重要な要素です。しかし、その影響は身体の休息だけに留まりません。睡眠は、私たちの心を健やかに保つための、最も重要なメンテナンス時間なのです。

このコラムでは、睡眠が私たちのメンタルヘルスにどのように作用するのか、その科学的なメカニズムを深掘りし、心を修復するための具体的な睡眠戦略を解説します。

なぜ睡眠不足は心を蝕むのか?「うつ」と「不安」の温床になる理由

慢性的な睡眠不足、すなわち「睡眠負債」が溜まると、脳の機能に深刻な影響が及びます。特に、私たちの感情コントロールに大きな変化が現れます。

感情のブレーキが効かなくなる「扁桃体」の過活動

睡眠不足の状態では、脳の奥にある不安や恐怖を司る「扁桃体(へんとうたい)」が過剰に活動し始めます。通常、この扁桃体の働きは理性を司る「前頭前野」がコントロールしていますが、寝不足だとそのブレーキが効かなくなります。結果として、普段なら気にならない些細なことで強く不安を感じたり、ネガティブな感情に囚われやすくなったりするのです。

うつ病との危険な悪循環

研究では「不眠は、うつ病発症の最も強力な予測因子の一つ」とされています。「眠れない」という状態がストレスとなり、心のエネルギーを消耗させ、うつ病の引き金になることがあります。そして、うつ病になるとさらに眠れなくなる…という深刻な悪循環に陥るリスクが高まります。

睡眠は脳の“大掃除”と“心の整理”の時間

私たちが眠っている間、脳はただ休んでいるわけではありません。日中の活動で酷使した脳を、翌日最高の状態で使えるようにメンテナンスしています。

  • 【深いノンレム睡眠】脳のデトックスタイム
    深い眠りの間、脳内では「グリンパティックシステム」という“脳の洗浄システム”が活発に働きます。これにより、日中の活動で溜まった老廃物(アルツハイマー病の原因物質とされるアミロイドβなど)が洗い流されます。この脳の大掃除が、翌日のクリアな思考を支えるのです。
  • 【浅いレム睡眠】心の情報整理タイム
    夢を見る段階であるレム睡眠中、脳は日中に経験した出来事、特に感情を伴う記憶を整理しています。このプロセスを通じて、嫌な記憶からネガティブな感情を切り離し、ストレスを和らげる働きがあるとされています。「一晩寝たらスッキリした」と感じるのは、この心の整理作業のおかげなのです。

【実践編】“心を修復する睡眠”を手に入れるための科学的アプローチ

これらの脳の働きを最大限に活かすため、以下の行動を意識してみましょう。

  • ① 朝日を浴びる:体内時計をリセットし、心の安定に関わる「セロトニン」の分泌を促します。これが夜には睡眠ホルモン「メラトニン」に変わり、自然な眠りを誘います。
  • ② 就寝90分前の入浴:体の深部体温を一時的に上げ、その後の体温低下が深いノンレム睡眠(脳のデトックス)を誘発します。
  • ③ 寝る前のリラックスタイム:穏やかな音楽や読書、腹式呼吸などで副交感神経を優位にし、心身をリラックスモードに切り替えることが、スムーズな入眠と感情の整理(レム睡眠)につながります。
  • ④ 寝室を「聖域」にする:スマートフォンを持ち込まず、光や音を遮断し、「寝るためだけの安全な場所」にすることで、脳がリラックスしやすくなります。

従業員の睡眠とメンタルヘルスを、組織的に改善しませんか?

個人の努力だけでは、睡眠改善には限界があります。
ウェルネスドアでは、従業員の皆様の睡眠リテラシーを高め、組織全体の生産性向上につなげるためのメンタルヘルス研修をご提供しています。

【免責事項】
本記事は、睡眠に関する一般的な情報提供を目的としています。睡眠障害の疑いがある場合や、不眠が続く場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。

【主な情報源】
・厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」「睡眠・覚醒リズム障害」
・厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」