テレワークと健康課題

この記事のポイント

  • テレワークの普及で問題化している「座りすぎ」の健康リスクがわかる
  • 1日の座位時間が11時間以上だと、死亡リスクが約1.5倍に上昇するという衝撃的なデータを学べる
  • 座りすぎのリスクを軽減するための具体的な対策や、目標とすべき運動時間がわかる
  • 従業員の健康を守り、生産性を維持するためのヒントが手に入る

テレワーク時代の健康課題に向き合う

働き方が大きく変化した現代、テレワークの普及により通勤や移動の負担が減った一方で、運動不足・孤立感・生活リズムの乱れなど、心身の健康に関する新たな課題が浮き彫りになっています。

ウェルネスドアでは、こうした課題に対して、医療・保健・栄養・運動・歯科口腔などの専門家が連携し、実践的かつ多角的な健康支援プログラムを提供しています。
テレワーク環境でも、社員がいきいきと働けるよう、健康経営の視点からサポートいたします。

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テレワーク(在宅勤務)のデメリットだと感じていることは?

テレワークは通勤の負担軽減や柔軟な働き方を可能にする一方で、働く人の健康や業務効率に影響を及ぼす課題も見えてきました。
以下は、実際に多くの方が感じている代表的なデメリットです。

テレワークのデメリット BEST3

  1. 勤務時間とプライベートの境目が不明確
    在宅勤務では「仕事の終わり」が見えづらく、残業が増えたり、オン・オフの切り替えが難しくなる傾向があります。
  2. 運動不足
    通勤や外出の機会が減ることで、身体を動かす時間が激減。肩こり・腰痛・体力低下など、健康への不安が高まっています。
  3. コミュニケーションの減少
    雑談やちょっとした相談が減り、業務の連携やチームワークに影響が出るケースもあります。
テレワークのデメリットだと感じている事

座っている時間と病気・疾患による死亡リスクの関係

オーストラリアで実施された大規模な追跡調査(621,695人年・平均2.8年)によると、1日の座位時間が長くなるほど死亡リスクが上昇することが明らかになりました。
調査期間中に死亡した5,405人のデータをもとに、座位時間別の死亡リスクを以下のように比較しています。

座位時間別の死亡リスク(1日あたり)

  • 4時間未満: 基準値
  • 4~8時間未満: 1.09倍
  • 8~11時間未満: 1.25倍
  • 11時間以上: 1.55倍

座っている時間が長くなるほど、死亡リスクが有意に上昇する傾向が確認されています。

身体活動時間(週あたり)と死亡リスクの関係

座位時間だけでなく、週あたりの身体活動時間も死亡リスクに影響を与えることが分かっています。
以下の4つの活動レベルに分類し、健康状態別にリスクを検証しています。

  • 身体活動時間: 0分/1〜149分/150〜299分/300分以上
  • 健康状態別: 全体平均/健康体/持病あり

運動習慣がある人ほど、座位時間が長くても死亡リスクが抑えられる傾向があり、定期的な身体活動の重要性が示されています。

座位時間対策の具体例

  • 1時間に1回は立ち上がってストレッチや軽い体操を行う
  • オンライン会議中は立って参加する「スタンディングミーティング」を導入
  • 昼休みに10分程度のウォーキングを習慣化
  • デスク周りにストレッチポスターやタイマーを設置して意識づけ
  • 座位時間を記録できるアプリやウェアラブルデバイスを活用
  • 社内で「座りすぎ防止チャレンジ」などの健康イベントを開催

小さな工夫の積み重ねが、長期的な健康維持につながります。

POINT

長時間座りっぱなしの生活は、健康リスクを高める要因となります。
テレワークやデスクワーク中心の働き方でも、こまめな立ち上がり・ストレッチ・ウォーキングなどを取り入れることで、健康維持に繋がります。

週150分以上の身体活動を目指し、日常の中で「動く習慣」を意識しましょう。

全体平均

長時間の座位と身体活動時間別健康リスク低減【全体平均】

持病無し「健康体」

長時間の座位と身体活動時間別健康リスク低減【健康体】

持病・健康リスク因子(心血管疾患・糖尿病)あり

長時間の座位と身体活動時間別健康リスク低減【持病・健康リスク因子あり】

関連情報

デスクワークの健康問題と労働生産性
1日の平均歩行数と健康


座っている時間が長いほど、健康リスクは高まる

近年の研究では、1日の座位時間が延びるほど、心血管疾患・糖尿病・肥満などの健康リスクが上昇することが明らかになっています。
一方で、週あたりの身体活動時間を確保することで、これらのリスクは共通して減少する傾向が見られています。

研究データから見る座位時間と死亡リスク

オーストラリアで実施された調査(対象:222,497人)では、座位時間が長いほど死亡リスクが高まることが示されました。
座位時間が1日11時間以上の人は、4時間未満の人に比べて死亡リスクが1.55倍に上昇しています。

※参考:https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/1108810?resultClick=1

長時間座ることによる身体への影響

  • 代謝機能の低下
  • 中性脂肪レベルの上昇
  • 善玉コレステロール(HDL)の低下
  • インスリン感受性の低下(血糖値が下がりにくくなる)

これらの変化は、糖尿病・心血管疾患・肥満などの発症リスクを高める要因となります。

職業による健康リスクの違い

活発な作業に従事する人は、デスクワーク中心の人に比べて、心血管疾患や全体的な健康リスクが低い傾向があります。
座りっぱなしの時間が長い職種では、意識的な運動の取り入れが重要です。

座位時間対策の具体例

  • 1時間に1回は立ち上がってストレッチや軽い体操を行う
  • スタンディングデスクや立ち会議の導入
  • 昼休みに10分程度のウォーキングを習慣化
  • 座位時間を記録できるアプリやウェアラブルデバイスを活用
  • 社内で「座りすぎ防止チャレンジ」などの健康イベントを開催

結論

長時間の座位は、心血管疾患・糖尿病・肥満などの健康リスクを高める危険因子です。
座位時間の短縮と、週150分以上の身体活動時間の確保は、健康増進のために欠かせない取り組みです。

執筆者:ウェルネスドア合同会社 代表:狩野 学

※参考資料:
・https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/1108810?resultClick=1

テレワーク時代の健康課題 理解度クイズ

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