プロが解説!「日本人の食事摂取基準(2025年版)」変更点のポイントは?

「最近、健康診断の結果が気になり始めた…」

「結局、何をどれくらい食べれば健康にいいの?」

日々の健康を支える「食事」について、関心をお持ちの皆様、こんにちは!
ウェルネスドア合同会社です。

5年に一度、私たちの健康づくりの指針となる**「日本人の食事摂取基準」**が改定されるのをご存知ですか? 2025年度から新しく適用される「2025年版」では、現代人の健康課題に合わせていくつかの重要な変更が加えられました。

この記事では、管理栄養士や健康経営の専門家が、最新の「食事摂取基準」の変更ポイントと、明日から実践できる食事のコツを分かりやすく解説します。

【そもそも】日本人の食事摂取基準とは?

厚生労働省が、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために、エネルギーや各栄養素の摂取量の目安を科学的根拠に基づいて示したものです。給食や食品開発など、様々な場面で活用される「健康の羅針盤」と言えます。

【2025年版】知っておきたい!3つの主な変更点

今回の改定では、特に私たちの食生活に直結する重要な変更がありました。ポイントを絞って見ていきましょう。

1.【食物繊維】目標量が大幅アップ!「1日+バナナ2本」が合言葉

最も注目すべき変更点です。生活習慣病予防の観点から、食物繊維の目標量が引き上げられました。

  • 変更点: 成人男性の目標量が21g/日以上 → **25g/日以上**に(一部年齢除く)。女性も同様に引き上げられています。
  • なぜ?: 多くの研究から、食物繊維を豊富に摂ることで、循環器疾患や糖尿病のリスクが下がることが明らかになったためです。しかし、現代日本人の摂取量の中央値は1日13.3g程度と、目標に大きく届いていません。
  • 実践のヒント: いつもの食事に**「プラス5g」**を意識してみましょう。これは、おおよそ**バナナ2本**や、**納豆2パック**、**いつもの白米を玄米に変える**ことで達成できます。まずは野菜やきのこ、海藻類を毎食一品加えることから始めるのがおすすめです。

2.【ビタミンD】骨の健康に不可欠!意識して摂りたい栄養素に

骨の健康維持や免疫機能に関わるビタミンD。特に高齢者の骨粗しょう症予防を念頭に、目安量が見直されました。

  • 変更点: 18歳以上の男女の目安量が8.5μg/日 → **9.0μg/日**に引き上げられました。
  • なぜ?: カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする働きが重要視されています。また、近年は屋外で過ごす時間が減り、日光を浴びることで体内で作られるビタミンDが不足しがちな傾向も考慮されています。
  • 実践のヒント: ビタミンDは、**鮭やサンマなどの魚類、きのこ類**に多く含まれます。ランチに焼き魚定食を選んだり、夕食の味噌汁にきのこを追加したりするのが手軽です。適度な日光浴も忘れずに行いましょう。

3.【高齢者】フレイル予防へ!「たんぱく質」の重要性をより明確に

人生100年時代を見据え、加齢による筋力や活力の低下(フレイル)を予防する視点が強化されました。

  • 変更点: フレイル予防の観点から、65歳以上の高齢者のたんぱく質目標量の下限(総エネルギーの15%以上)が強調されました。
  • なぜ?: 高齢になると食事量が減り、あっさりしたものを好みやすくなるため、筋肉の材料となるたんぱく質が不足しがちです。筋力低下は転倒や寝たきりのリスクを高めるため、意識的な摂取が求められます。
  • 実践のヒント: **毎食、手のひら1枚分**のたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)を摂ることを目指しましょう。食欲がない朝は、牛乳やヨーグルト、プロテイン飲料などを活用するのも良い方法です。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 基準が厳しくなったようで、全部守れる自信がありません…

A. ご安心ください。食事摂取基準はあくまで「目標」であり、毎日完璧に達成する必要はありません。まずは今回の変更点で挙げた**「食物繊維」「ビタミンD」「たんぱく質」**のうち、ご自身に一番足りていなそうなものを一つ選び、意識して食事に取り入れることから始めてみましょう。「昨日は野菜が少なかったから、今日はお惣菜でひじき煮を足そう」といった形で、1週間単位でバランスを整えるのが長続きのコツです。

Q. サプリメントで補っても良いのでしょうか?

A. 基本は食事から摂ることが理想です。食品にはビタミンやミネラルだけでなく、食物繊維やポリフェノールなど、複合的な栄養素が含まれているからです。しかし、食事が不規則になりがちな時や、特定の栄養素が不足しがちな場合の補助として、サプリメントを上手に活用するのは有効な手段です。利用する際は、過剰摂取にならないよう、製品に記載された目安量を必ず守りましょう。

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【免責事項】
本記事は、一般的な情報提供を目的としています。個人の健康状態や病状に応じた食事については、かかりつけの医師や管理栄養士にご相談ください。

【公式情報】
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」